思い出
40代で父が天国へ行き、70代後半のママと一緒に住むことになり、また親子で一緒にキッチンに立つ時間も増えました。
そんなママも高齢になると、料理はしなくなりましたが、キッチンで私が料理をしていると必ずやって来ては、一言二言文句を言って立ち去る“味見おばあさん” に・・・鋭い味覚は昔のままなので、皮肉を言われながらも私にとっては、彼女が亡くなる 104歳まで唯一のロシア料理の大先生でした。

主人の仕事の関係で、大使館員や領事館員、日本に出張で来ているロシア人などを我が家に招き、毎週末のようにホームパーティをしておりました。みな、懐かしい故郷の味を堪能されていました。
大使・人を始め、ロシア人奥さまたちが、作り方を熱心にメモされていったほど、気に入った様子で嬉しかった記憶があります。
また、主人のオフィスに毎年、お正月におせち料理をはじめ、ロシア料理や各国得意料理を大量に持って行くのが恒例行事の一つでした。
お客様がとにかく次から次へと料理目的に押し寄せ、あっという間に用意した料理がなくなってきました。
それが仕事につながったかはさておき、本当に賑やかなお正月を毎年送っていました。
みんなが喜んで召し上がる姿が嬉しくて、自信にも繋がりました。