料理の原点

私のママは、4姉妹で育ち、幼い頃から祖母に料理の手ほどきを受け、近所で評判の料理上手な4姉妹として育ちました。
終戦後、満州から引き上げてきた日本人と国際結婚したロシアンマダムやロシアンコミュニティの間でも、ママの料理上手は評判に。
よそのお宅のお呼ばれに伺っても、ウチの味が一番美味しい!と子どもながらに感じていました。
モスクワに住んでいたティーンエイジャーの頃に、レストランや普通のロシア人の家庭などに行き、ロシア料理を食べる機会が多くありましたが、ママが作ってくれたウチの味とは全然違う料理なの?と感じたほど。
この年齢になって振り返れば、ママの作る調理は、絶妙な塩加減と旨味や甘み、生地の上手しさなどが一つずつ際立っていました。

また、料理の飾り付けやテーブルセッティングなど、あらゆることが美しく洗練されており、それは、私の祖母から代々受け継がれてきたもので、全てが良いバランスで、どこのレストランや家庭よりも美味しく感じたものでした。
その記憶や経験のすべてが、私のお料理の原点だと思います。